世界No.1カリスマコーチのアンソニー・ロビンズ氏の本です。
巻頭には「本書刊行によせて」として、「私の人生を変えた「トニーの実践書」」と題した本田健さんの寄稿が載っています。
もうそれだけで、どれだけこの本が素晴らしいかとワクワクするほどです。
それによるとこの本は、感謝祭の時に恵まれない人びとに食料と一緒にプレゼントされている小冊子なのです。
「この本は、哲学書ではなく、実践書です。さあ、あなたも、一緒に、100%のエネルギーで生きてみましょう。」(p.9)
こう言って健さんは、私たちがこの本と一緒に人生を変えることを励まします。
実際この本は、11の実践的なステップになっています。
レッスン1から11まで、それを実践するようにと促されます。
まえがきにあたる「この本について」と題された文章の中で、ロビンズ氏はこう言っています。
「上質な人生を送り、真に成功するためには、周囲の人たちの苦しみを知り、思いやりを学ぶことが不可欠だ。それによって自分の人生や、自分の苦しみに対してさえ、大きな感謝の気持ちがわいてくる。突き詰めれば、人生の豊かさを経験する唯一の道は、感謝の気持ちで生きることだ。自分が持っているもの、自分が与えることのできるものに感謝するという気持ち。幸福をたしかなものにする最善の方法は、ほかの人が幸せを経験する手助けをすることだ。」(p.18 - 19)
ここに、彼の言いたいことがすべて凝縮されているように思います。
そして、まず最初のステップの「押しつぶされそうな状況を一変させる」というレッスンでは、こう言って考え方を変えるように促します。
「人生を一変させる第一歩は、自分には何もできない、自分は無力だというネガティブな思い込みを捨てることだ。」(p.35)
ただそうは言われても、どうすればいいのかと思われるでしょう。そこで、こう続けます。
「あなたの過去は、あなたの未来と同じではない。」(p.36)
「忍耐は必ず実を結ぶ」(p.36)
こう言って、有名なKFC創業者のカーネル・サンダース氏の、レシピを売り歩いて1009回断られた逸話を語ります。またウォルト・ディズニー氏の302回も資金提供を断られた話をします。
そして、こう言うのです。
「どんな困難も永遠に続きはしない。辛いことでも一生続くことはない。今の苦しみも必ず過ぎていく。それには猛烈に、ポジティブに、そして明日につながる行動を続けることだ。」(p.42)
これには本当に勇気が湧いてきます。
2つ目のステップは、「人生に失敗などはない」というタイトルです。
そこでも挫折感やみじめさを味わい尽くし、ついには恋人からも見捨てられた歌手が、うつ病状態から復活した話が書かれています。ビリー・ジョエル氏の物語です。
そして、ロビンズ氏が長年の支えとしている言葉を教えてくれます。
「成功は正しい判断の結果であり、正しい判断は経験の結果である。そして経験は、ほとんどの場合、誤った判断の結果である。」(p.48)
3つ目のステップは、「もう立ち止まらない−−決断のパワー」というタイトルで、自動車メーカーのホンダが苦難を乗り越えて成長していく話が語られています。
ここでもロビンズ氏は、重要なことを一言で語っています。
「だが突き詰めれば、運命を決めるのは、人生を取り巻く環境ではなく、その人の決断である。」(p.50 - 51)
つまり、何があろうとやる、実現させると決めたこと以外の可能性はない、というように断定することなのです。
このように、具体的に何をどうすべきかを、語っています。
また挿入された逸話は、どれも心を奮い立たせるものです。
今、意気消沈しているなら、ぜひこの本を読んで、自分自身を奮い立たせてほしい。
そして私もまた、自分を励まして前進したいと思います。
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