斎藤一人さんの本です。
この本で一人さんは、世の中にはいわゆる「いい人」が大勢いるけど、こういう人たちが必ずしも成功しているわけではない、と言います。
なぜかと言うと、さらに学ばなければならない2つのことを、まだ学んでないからだと。
それが「お金のこと(経済)」と「人間関係」だと言うのです。
本書は、その「お金のこと(経済)」と「人間関係」について、学ばなければならないことを伝えるという目的で書かれています。
特に「これからの100年は「経済の時代」になるからね」と言われて、お金に強くなることが重要だと言います。
その手始めは、「お金の流れに「マイナスの波動」をつけないようにするんだよ」と言われて、収入より支出が多くならない暮らし方を勧めます。
しかし、収入には波があるもの。上手く行くときもあれば、上手くいかないときもあります。
ですから上手く行っているときは貯金をして、上手くいかないときのために備えるのだと説明します。
「仕事がうまくいったときは笑顔で定食を食べて、仕事がうまくいかないときもフランス料理を食べられる」(p.37)
このことに関連して以前、何かの本で読んだのですが、「財布の底が見えないお金の使い方をするのが良い」という話がありました。
それで私も、そういうお金の使い方を心がけています。
たとえば、給料が入ったら派手に使い、心細くなると倹約するというのが、「財布の底が見えるお金の使い方」です。
一方、まだいくら余裕があるのかわからないような使い方、つまり、普段は倹約しているのに、いざとなったら大金を払えるという使い方が、「財布の底が見えないお金の使い方」ですね。
そういう意味からすると、先ほどの支出が収入を上回らないようにというのも、程度の問題がありそうです。
充分に蓄えがあるなら、いざというときはそれを切り崩して使うべし、ということなのかなあと思いました。
また人間関係では、まず自分のやる気を出すために、自分の「あたりまえ」を褒めることを勧めています。
そうすることで「ほめ回路」というものができるそうで、それができると「やる気」が途切れることなく湧き出すそうです。
これなどはまさに「鏡のワーク」ですね。
どうも自信が持てないとか、他人の目が気になるという人は、ぜひ「鏡のワーク」を実践してみてください。
他には、人間関係の悩みの大半は、「人が自分の思い通りにならないこと」なのだそうです。
これはお釈迦様が八苦であげられたことと符合しますね。
それなのに相手を変えようとするから、さらに苦しむのです。
「変えることができるのは、自分だけ」(p.105)
そう腹をくくることだと一人さんは言います。
相手を、今のままでよいと受け入れることで、生きることが楽になるのだと。
こんなわかりやすい、それでいて本質的な話が詰まっている本です。
講演のCDもついてますよ。
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