またロバート・シャインフェルド氏の本を紹介します。
これで4冊目になります。日本語版の発行は2013年3月なので、3番目の本ということになりますが、原語の発行順で言うと、これが最初の本になります。
ロバート氏が書いた順に並べると、こうなります。
1.「あなたの夢をかなえる目に見えない力の秘密」
2.「「ザ・マネーゲーム」から脱出する法」
3.「「ビジネスゲーム」から自由になる法」
4.「なにが起こっても、「絶対幸せ」でいる法」
ちなみに最後の本は、原語では40ページ程度の小冊子なのだそうです。
ずいぶんと膨らませたもので、日本語版では200ページになっていますね。
3冊目までは本田健さんの翻訳です。4冊目は栗原弘美さんの訳となっています。
間の2冊は、ロバート氏の考えの説明が、非常に似通っています。
その特徴的な説明方法が生まれる前、ロバート氏がどう考えていたかが、この本によく表れています。
ロバート氏の特徴は、「ザ・シークレット」や「引寄せの法則」にあるような、思考が現実化するという考え方を、100%ではないと否定するところにあります。
時には現実化するけれど、時には現実化しないこともある。
それがなぜなのか、という点に着目しているのです。
その理由を、私たちに様々な体験をさせている映画監督とも言えるハイヤーセルフの存在があるからだと説明します。
つまり、そのハイヤーセルフが私たちにどういう体験をさせるかという決定権を持っているため、顕在意識で思ったことが100%実現するわけではないと言うのです。
この考え方は、「神との対話」シリーズでも言われていることで、「私」という存在は、「魂」「精神」「潜在意識」の3つの部分が合わさったもので、それぞれは半ば独立しているかのように働くのです。
その証拠にたとえば、「潜在意識」が動かしている心臓の動きや、髪や爪が伸びる速さなどを、私たちの「精神」は完全にはコントロールできません。
影響を与えることはできますが、半ば独立的に動いているため、直接的には操作できないのです。
それと同様に、「魂」が創り出す現実と「精神」が創り出す現実は、必ずしも一致しません。
主導権を握っているのは「魂」ですが、重要ではない部分においては、「魂」は「精神」の好きなようにさせます。
したがって、いくら「精神」がある特定の現実を求めても、それが得られない可能性があるのです。
ロバート氏はこのことを、端的な言葉で表現しています。
「あなたは常に「票を集めて」はいるが、いつも「当選する」とは限らない」(p.98)
しかしそう言いながらも、顕在意識としてはハイヤーセルフの目的を明確に知ることはできないので、顕在意識が望むことを求める他ないと言います。
そして、その望みを届ける方法として、無意識のネットワークに広告を出すことだと説明します。
つまり、望むことを紙に書いて、「望みの箱」に入れておくのです。
そうしておけば、ハイヤーセルフはそれを読んで、目的に叶うものであれば、その望みを叶えてくれると言うのです。
後の本にあるような、ただ感情をそのままに受け止めれば良いというような考えは、まだこの本ではわずかに語られているだけです。
どちらかと言うと、望んだものが叶わないとしても、それでも本来の自分の目的には叶っているのだからと、仕方なく受け止めるような考え方に近いかもしれません。
おそらくそういうことを繰り返す中で、ロバート氏自身が進化成長し、より本質的になっていったのだろうと思います。
もし、「ザ・シークレット」などのような「願いを叶える」ために潜在意識を利用することのみ考えている人であれば、この本から入るのがわかりやすいかもしれません。
いずれ特に望むものがなくなり、与えられるものを拒む必要性がなくなってくるにつれ、その後の本で語られていることが理解できると思います。

【本の紹介の最新記事】