フォーク歌手の阿部敏郎さんが、平成17年に沖縄県中城村(なかぐすくそん)の公民館「吉の浦会館」で行った講演をまとめた本です。
それまで浜松の禅寺で、志を同じくする禅僧と一緒に行っていた「いまここ塾」を、沖縄で行うことになったのです。
その講演の内容は、阿部さんの身に突然に起きた大いなる気づきに関するもので、それは次のようなメッセージになります。
「僕たちが同じ一つのものであること。
僕たちが想像を超えた愛によって、いつも見守られていること。
僕たちは決して死ぬことのない、永遠の存在だということ。
何が起きても、たとえ死んでも、大丈夫だということ。
すべての人は、最初の最初から救われているということ。」(p.2)
読み始めて、私は驚きを隠せませんでした。
まさに「神との対話」シリーズで語られていることを、ここまではっきりと言っている日本人がいた。それが驚きでした。
そして、そんなこともまったく知らずに始めた私の活動は、まさに阿部さんの志と同じだったということです。
「劣等感があるから、僕たちは自分を信じられなくなっちゃった。そして自分が信じられなくなったから、自分の考え、自分の感じ方、自分の瞬間の選択は、間違っているかもしれないと思ってしまった。」(p.58)
劣等感が問題の原因だという話は、先日紹介した斎藤一人さんの「地球が天国になる話」でも書かれていたことです。
劣等感によって、自分らしく生きるという選択肢を、自分で排除してしまうんですね。
阿部さんがこういうことを言うようになったのは、30歳のころにパッと体験してしまったことが原因だと言います。
そのときの詳しい状況はわかりませんが、それによって阿部さんは翌日、芸能事務所を辞めてしまったそうです。
そこまでさせるほど、ものすごい体験だったと言うことです。
その体験を伝えるのが自分の使命だと感じて、最初は友人たちに伝えたそうです。
「六本木の飲み屋に出かけていっては、「おい、おまえ、大変だ。いいか、よく聞いてくれよ。俺は・・・・・・、おまえだったんだよ。俺たちは一つだったんだ!」。
これでずいぶん嫌われました(笑い)。」(p.190)
そこからずっと、この体験で得た悟りを、伝える活動をしているそうです。
音楽活動さえも、それを伝えるための手段なのだとも言います。
そんなすごい人がいたなんて、本当に知りませんでした。
この本のことは、「あの世に聞いた、この世の仕組み」を読んで感動して著者の雲黒斎さんのWEBサイトを見たとき、コラボしたことが書かれていたので知りました。
私も、阿部さんの話を直接聞いてみたくなりましたよ。
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