2013年12月14日

マザー・テレサの「愛」という仕事



ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサさんの本です。

と言っても、マザーが書かれたわけではありません。マザーはとても忙しい方だったので、手紙の返信さえ、なかなかできないほどだったのですから。

その代わり、あちこちで話されたことが録音テープに残されていたそうです。

それをホセ・ルイス・ゴンザレスーバラド氏とジャネット・N・プレイフット氏が編者としてまとめ、山崎康臣氏が翻訳した本なのです。


この本は1998年に出版されています。

実は、私はこの本を10年以上前に一度読んでいます。10月に帰省した時に実家の本棚に置かれていたこの本を見つけ、なぜだか「これは読むべきだ」と感じました。

それで持ち帰って、昨日、読み終えたということなのです。

もう、内容はすっかり忘れていました。けれども改めて、マザーの心に触れたような気持ちになりました。


貧しい人たちは、素晴らしい人でしょう?
 彼らに同情は必要ありません。憐みも要りません。
 彼らは素晴らしいのです。
 彼らはとても魅力的です。
」(p.39)

私はシスターたちに、いつもこう話します。
 「あなた方は貧しい人に奉仕していますが、奉仕している相手は、本当はキリストなのです。あなた方が手当してあげているのはキリストの傷です。あなた方はキリストの手足に包帯を巻いているのです。あなた方が消毒しているのはキリストの腫物(はれもの)です。外観に惑わされてはなりません。その向こうにある真実を見るのです。はるか昔、イエス様がおっしゃった言葉を覚えていますか?その言葉を今こそ思い出してください。イエス様はこうおっしゃいました。『私にそうするように、小さき者にもそうしなさい』と。あなた方が貧しい人に仕えることは、私たちの主イエス・キリストに仕えることなのですよ」
」(p.96 - 97)

貧しい人に奉仕することで、彼らの中にキリストを見出すマザーは、彼らを憐れんだりはしません。

奉仕することが幸せ。そこで気付かされる愛によって、喜びに満ちた日々だと言うのです。


私たちは、自分たちよりかわいそうな人を見ると、つい同情しがちです。そして心を痛めたりします。

若いシスターには、そうなってしまう人もいたようで、マザーはそれに対してこんなふうに言います。

喜びで祈るのです。喜びは力であり、愛なのです。喜びは人の魂を包み込んでくれるはずです。いわば、愛で紡(つむ)いだ網(あみ)だといえるかもしれません。明るく奉仕する人を、神は愛してくださいます。喜んで奉仕する人に、神は力を、そして愛を与えてくださいます。何事も喜んで受け入れることです。それが神への感謝を、そして人々に対する感謝を表す最善の方法です。」(p.109)

安岡正篤氏も、「喜神を含む」ということを言われています。

どんな苦難にぶち当たっても、心のどこかに、それを楽しむような気持ちを持つことが重要なのだということです。

私たちがこの仕事をしていることが素晴らしいのではなく、仕事をすることによって幸せを感じることができるのが素晴らしいのです。それはまさに奇跡と言えるでしょう。」(p.200)


また、世界的な戦争や飢餓といった問題に対して、私たちの力はあまりに弱く、時として無力感を感じてしまうかもしれません。

そういった世界規模の大事業とも言える問題に当たるに際して、マザーはこういうように言います。

飢餓は大きな問題です。しかし問題を見つめたからといって答が出るわけではありません。私たちは実際に行動しなければならないのです。一人を救うことから始めましょう。一人の人に幸せと安心を与えてあげることは、大きな価値のあることです。」(p.131)

昔から「千里の道も一歩から」と言うように、大きな目標を前に呆然として何も行動を起こさないのでは、いつまでたっても目標に到達しません。

まずは目の前の第一歩を踏み出すことです。

私たちの営みが、仮に大海の一滴だったとしても、それはかけがえのない一滴なのですから。


マザー・テレサの「愛」という仕事
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 13:00 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

●コメントを書く前に、こちらのコメント掲載の指針をお読みください。

ランキングに登録しています。面白かったらボタンをポチッと押してね。
↓↓↓↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ