おなじみの喜多川泰さんの小説を、Kindle版の電子書籍で読みました。
必ず深い気づきを与えてくれるという安心感と、どうストーリー展開するのかというワクワク感が、喜多川さんの小説にはあります。
今回も、主人公は成長する若者です。その指南役は、なんと同年代の女の子。
という形になっていますが、その元は、その女の子の父親だったというお話です。
あまり詳しく書くとネタばらしになってしまうので、このへんでやめておきます。でもこれは、若者だけでなく、親御さんに読んでほしいと思いました。
テーマを要約するならこうなるでしょうか。
「生きていればなんでもできる。」
まさにNHKドラマ「開拓者たち」の主人公ハツの言葉のようです。
ただ、そのためにどうするのか?という問題があります。
金持ちになりたい。そう考えて、金持ちになるためにあらゆることを情熱的にやる人がいるかもしれません。
時には誰かを騙し、損をさせ、それでも自分は敗者にはなるまいと頑張る。
マネーゲームととらえるなら、そういう生き方もあるでしょう。
でも本書では、違うアプローチを示します。
それは、他の人を助けること。
今日できる何かを、必ず今日行うこと。
そうやって日々の行動を積み重ねる中で、自然と自分の目標が実現すると言うのです。
「よく死ぬことは、よく生きることだ。」
誰かがこんなことを言っていました。
すべては振り子のようなもので、一方を極めれば、もう一方も極めることになるのだと。
普段は意識しない死というものを見つめたとき、この1日をどう過ごすのかを、真剣に考えられるのかもしれません。
一期一会という茶道の言葉を持ち出すまでもなく、この一瞬一瞬が宝であり、すべての出会いが奇跡なのです。
そう思えば、生きていることに感謝する気持ちが湧いてくるでしょう。
私たちはすでに、奇跡を行っているのです。
ただそれを、奇跡と考えない人がいるだけのこと。
さあ、あなたはどう考えるのでしょうか?
喜多川さんの小説を読む度に、私自身がどう考えるのかと問われているような気がします。
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