2013年11月18日
まわりの人を幸せにする55の物語
最近、福島正伸さんのお名前を耳にする機会が増えました。
それで、本を読んでみようと思って何冊か購入しました。これはその中の1冊です。
「読みやすそうだなあ。」そう思って読み始めたのですが、まさかこういう本だとは思いませんでした。
最初の数ページで、もう虜(とりこ)になりました。部屋で1人で読みながら、ケタケタと声を出して笑ってしまいましたよ。
「大きな声では言えませんが、実はもう、
世界を変えるために動きはじめた人たちがいるのです。
彼らは秘密結社、その名も「国際救助隊」。
人や社会に貢献することを喜びとし、
いまできることから行動しています。」(p.9)
なんと仰々しいことでしょう。そしてこの本は、国際救助隊の隊員たちの「人に貢献する活動」の記録だと言います。
では国際救助隊とは、いったいどういう存在なのか?
「隊員は、自分の名誉のためでも、利益のためでもなく、すべては人のため、人類の未来のために、日常生活の中で、人や社会に貢献することを喜びとして行動する。」(p.12)
単に笑顔を見せることであっても良いのです。道を譲るとか、ゴミを拾うなど、ちょっとした思いやりが隊員の活動になります。
しかし隊員には、厳しい制限があります。
それは、この活動の目的が自分のためではなく、人類の未来のためだということに関連します。
ですから、たとえ命をかけるような場面であっても何気なく行動し、活動が終了したら、ただの「通りすがりの者」であるかのように振る舞わねばならないのです。
この「通りすがりの者」という表現が、私の笑いのツボにハマりました。どうやら私の笑いの感性は、他の人とは大きく異なるようですね。
「3.溝にハマった車を救出する」(p.30)というエピソードでは、積もった雪で溝に気づかず、ハマってしまった車を重機で助けたという話があります。
わざわざ重機を持ってこさせて助けたのです。それなのに、「もちろん、「通りすがりの者」ということで救助しました。」(p.30)という爽やかさ。
いや、単に爽やかというより、どこか滑稽なのです。
だって、名前はあるし、名乗って困るものでもありません。「名乗るようなものでもありませんから。」でも良いのですが、「通りすがりの者」と名乗るところがおかしいのです。
そんな活動を、私がまったく知らないところで多くの人がやっていたことに驚くとともに、これは現代版の「無財の七施」だなあと思いました。
自分に何か利益があるからするのではなく、ただ他の人を喜ばせることが人類の未来を素晴らしいものにするのだという信念で、この活動を楽しんでいます。
私もぜひ、国際救助隊に加入しようと思いました。
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