2013年11月12日
てっぺん!の朝礼
居酒屋「てっぺん」の大嶋啓介さんの本を読みました。
もうすでに多くの方がご存知かもしれませんが、バンコクにも「てっぺん」ができたことを知って、ふと読んでみたくなったのです。
もちろんそれだけではなく、みやざき中央新聞で紹介されていたとか、いろいろなきっかけがあったのですけどね。
読んでみて、さすがにすごいなあと思いました。
印象としては、体育会系のノリと言うのでしょうか、バカになってはしゃぐという感じがあります。
でも、それだけではなく、きちんと考えられているんだなということが、この本でよくわかりました。
「日本一のチームをつくる」という目標を掲げ、そのためにスタッフのモチベーションを高めることがリーダーのやるべきことだと言います。
悩んで、どん底まで行きながらも、へこたれずに這い上がってきた大嶋さんです。
その彼がつかんだものは、スタッフに良いストロークを与えるというものでした。
人間の心には、心の壺があって、そこにプラスとマイナスの要素が満タンに詰まっているのだと、たとえ話で説明します。
やる気がみなぎっている状態は、心の壺の中にたくさんのプラスがある状態だと。
だから、スタッフの心にどんどんプラスを与えてあげて、マイナスを追い出せば良いのだと言うのです。
では、どうやってプラスを与えるのか?
「その答えは単純明快。相手を心の底から認めてあげるということだけなんです。」(p.168)
「てっぺん」の朝礼は、まさにこのプラスを与える方法なのです。
「スピーチ訓練」や「ナンバー1宣言」、そして締めの「本気の握手」などは、そのことが目的になっています。
「てっぺん」では、この朝礼を公開しています。
なぜ流行る居酒屋にする重要なノウハウを秘匿せず、あえて同業他社に公開するのか?
それは、大嶋さんの目的が、流行る居酒屋をつくって日本一になることではなく、日本を元気にすることにあるからです。
その思いは、落語家の三遊亭歌之介さんが朗読するテープにあった「ウサギとカメ」のエピソードから生まれたと言います。
「ウサギとカメ」の話の解釈は、ウサギが油断したのが悪いとか、カメが地道に頑張ったのが偉いなど、いろいろあります。
それを、「見ているところの違いが、勝負を決めた」と解説していたと言うのです。
「つまり、あれは「カメばかりを見ているウサギ」VS「目標、ゴールをひたすら見ていたカメ」という構図こそ重要だと言うのです。」(p.204)
これによって目を開かれた大嶋さんは、居酒屋同士とかスタッフ同士の争いではなく、「各々が各々のてっぺんを目指す」という今の方針をつかんだようです。
さらにこの「ウサギとカメ」には後日談があり、小学校で講演をしたときに子どもが、どうしてカメはウサギを起こしてあげなかったのかと尋ねたのだそうです。
「一緒にゴールしたほうがもっと楽しいのに・・・」(p.206)
このことから、「共に勝つ」という理念も生まれました。
そしてこの理念が、後の居酒屋甲子園に通じていくのだそうです。
この本を読んで、私も「てっぺん」の朝礼を体験したくなりましたよ。
タイの居酒屋「てっぺん」でも、同じようにやっているのでしょうか。
もしそうなら、うちの会社のスタッフも、参加させてみたいですね。
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