すでに以前の記事「自分で考え、自分で決める」や「人生には失敗も成功もありません」で紹介してきた、中村文昭さんと大嶋啓介さんの共著になります。
中村さんは、クロフネカンパニーという口コミだけで予約が埋まるウェディングレストランを経営する一方、全国を飛び回って講演をされたり、北海道で引きこもりやニートの青少年を集めて農業をされたりしています。
大嶋さんは、「てっぺんの朝礼」で話題になった居酒屋てっぺんを経営されていて、居酒屋甲子園を立ち上げた方です。
お2人とも、若い頃にはいわゆる「できの悪い子ども」だったようで、そこから様々な出会いがあって、今のような状態になられたという共通点があります。
この話題の2人が、学研からの誘いがあって、この本を書かれることになったのだそうです。
ちょうど、子どもを元気にするには、まずは先生からということで、「先生見本市」なるイベントを考えていたときだったようで、本の中で10月に四日市文化会館第一ホールでやると宣言されています。
そしてそれは、実際に行われたようですね。(本の発行は2008年8月です。先生見本市は同年10月に行われています。)
思い立ったが吉日とは言いますが、まずやると決めてから方法を考える、というスタンスが明確に表れていて、とても興味深かったです。
本の内容は、2人の生き方に対する考え方が随所に表れていて、とても感銘を受けました。
すでに紹介したように、空手家の方の話や、成功や失敗に対する考え方は、本当に参考になりますね。
ブログではなくメルマガで紹介したのですが、ストリッパーになった母親の話は、とても考えさせられるものでした。
それ以外の部分を、ちょっとだけ紹介しましょう。
大嶋さんは、人気の居酒屋てっぺんでの採用基準として、面白い話をされています。
夢があってやる気満々の人が採用されるように考えがちですが、そうではないと言うのです。
「しかし、夢がない人も最高!なのです。」(p.47)
なぜなら、そういう人の心に火がついて、変わっていく姿が感動を与えてくれるからだとか。
「たくさん悩んできた人ほど、たくさん悩んでいる人を救える人間になる」(p.48)
だから、どんな人間でもダメではないのです。
すごい実績を出している人も素晴らしいけど、何をやってもダメな人間も素晴らしい存在なのです。
しかし人は、何もせずに変われるわけではありません。
種から成長して花を咲かせるまでに、根を張り、水や養分を吸収し、葉を出して太陽光から養分を作り出すなどが必要です。
いきなり花がポッと咲くわけではありません。
その変わるために大事なことが、「0.2秒の返事」だとか「頼まれごとは試されごと」と思って、相手の予想を上回る結果を出そうと努力することなのだと言います。
つまり、何をするかが重要なのではなく、今あるその場で、どうやってするかが重要なのです。
そのときの心の持ちようとして、「Mの心」が大切だと言います。
これ、本当に面白いなあと感動しましたよ。
Mとは、サド、マゾというSMのMです。(笑)
打たれれば打たれるほどに快感を得て喜ぶ。それがMです。
困難であれば困難であるほど「チャーンス!」と言って喜ぶ。そして挑戦する。
こういう心の状態を持ち続けることで、いつしか花が咲くようになるのです。
私も、これからは超ドMになって生きようと思いましたよ。(笑)
読むだけで生きる元気が湧いてくる本です。
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