「マチコミ図書室」さんが提供する「みやざき中央新聞」さんのバックナンバーをときどき読みます。
今日は、2002年8月19日の社説を読みました。
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タイトルは、「子どもの誕生と夫婦の質的変化」です。
この中で、安室奈美恵さんの電撃離婚の話を取り上げながら、子どもが生まれたことによる夫婦の変化について、「子供をもつと夫婦に何が起こるか」(ジェイ・ベルスキー/草思社)という本から引用して説明しています。
この本によると、子どもの誕生によって夫婦関係が受けた影響を分析したところ、以下のようになったそうです。
・ひどく悪化した・・・13%
・少し悪化した・・・38%
・変化はない・・・30%
・良くなった・・・19%
このように、約半数以上の夫婦が、待望の子どもが生まれた後に、関係が悪化していることがわかります。
100%手をかけなければならない赤ちゃんという存在が入ってくることで、互いの価値観の違いが、許せなくなるのでしょう。
それを「性格の不一致」と表現することもあるでしょうけど、要は相手への期待が満たされなかったとき、そういう相手の存在そのものを否定してしまいたくなる思いがあるのです。
社説ではここで、「関係が向上した」とする19%に注目します。
そういう夫婦は、「@個人の欲求より二人がチームとして一緒に動くことを優先した」など6つのポイントの中の4つ以上について、高い得点を得ていたそうです。
先輩夫婦の事例を教訓に、幸せになってほしいと締めくくっています。
私にはまだ子どもがいないので、こういうことを言うべき立場ではないのかもしれません。
けれども、理屈で考えれば、だいたい起こることをは想像できます。
相手への期待に執着しているから、関係が悪化するのです。
「私がこれだけ大変な思いをしているんだから、あなたはパートナーとして、もう少しやってくれてもいいんじゃないの?」
これは、子どもが生まれるかどうかに関係ありません。
夫婦間に限らず、人間関係では必ず乗り越えなければならない問題です。
それが特に子どもがいることによって、自分が何かをしなければならないと感じることが増えたために、問題が大きく感じられるようになったのです。
また、同じ相手への期待なのですが、価値観が異なる場合もあるでしょう。
「うつぶせ寝はやめてよね。突然死だってよく起こっているんだから。」
「何言っているんだ。うつぶせ寝の方が頭の形は良くなるし、手の力もつきやすくて、赤ちゃんのためにはいいんだよ。」
まあ他にも、抱いてばかりだと抱きぐせがつくとか、いろいろと子育てに関する価値観がありますよね。
その子を愛すれば愛するほど、幸せを願えば願うほど、この価値観の違いを受け入れられなくなるのです。
もちろん、絶対に譲れないと思う価値観もあるでしょう。
そういう価値観が異なるとき、別れるという選択も、必要になるかもしれません。
けれども多くは、そんなに重要な価値観ではないのです。
ただ自分の価値観にしがみついているために、それを否定されることで、自分自身の存在が否定されたような気になる。
それで相手のことが許せなくなるんですね。
これから子どもを作ろうと考えている夫婦の方は特に、こういうことを事前に知っておくといいですよ。
そして、相手のことを否定せずに、「その価値観は本当に重要なのか?」と、何度も自分自身に問うてみることです。
「みやざき中央新聞」さんの記事は、いろいろと考えさせてくれるので、本当に面白いです。
ぜひ、ご覧になってくださいね。
2013年09月06日
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