前に「伝わるのは愛しかないから」や「ひとが否定されないルール」で紹介した、脳障害児の日木流奈(ひき・るな)くんの本です。
本と言うより、詩集とかエッセー集と呼んだ方が良いのでしょうか。短編のメッセージがまとめられています。
前半はエッセー集のようになっていて、それぞれが問題を抱えている人へのメッセージになっています。
たとえば、「他人の目が気になる人へ」とか、「勇気が持てない人へ」というようなサブタイトルが付けられています。
このメッセージの内容が、また実に素晴らしいのです。
前にも書きましたけど、「神との対話」シリーズで言われているようなことが、流奈くんの言葉で語られています。
「不安を感じている人へ」というサブタイトルのメッセージは、すべて引用して紹介したいほど秀逸でした。
「時間が流れているのではありません。
一瞬一瞬があるだけです。
常に一瞬がある。
この一瞬が変われば、過去も未来も変わります。
決めるのはあなた。
あなたの意志です。」(p.57 - 58)
このさり気なく語られている言葉がどれほど重いものか、おわかりになりますでしょうか?
流れている時間というのは幻想なのです。
一瞬一瞬があるだけ。絶対的な領域では、言葉で示すなら「今」「ここ」しかないのですから。
そして、相対的な領域で生きる私たちにできることは、「今」「ここ」を生きるだけ。
しかし、その一瞬が変われば、未来はおろか、過去も変わる。
「過去が変わる!?」
そう、過去が変わるんです。
そんな驚くべき真実が、さり気なく語られています。
しかも、それを決めるのは私自身。私にはできる、と言うことなのですね。
「人が生まれて必ず皆が経験する事−−それは死です。
その間に起こる事は何があっても問題とはならないのです。
試験に落ちても、会社を首にされても、おカネがなくなっても、
恋人と別れても、なんの問題もないのです。
ただ気づきという学びがあるだけなのです。」(p.58)
すべての出来事は良いこと。すべて必然で無駄がない。
それは、その出来事によって「気づきという学びがある」からです。
逆に言えば、「気づきという学び」のために、様々な出来事が起こっていると言えるでしょう。
「だから、ただ気づくだけでいいのです。
不安に思うことはありません。
罰が下るとか、そういう問題ではないのです。」(p.59)
出来事が起こる目的が気づきのためなら、私たちがすべきことは、それに気づくことです。
不安を覚える必要もないし、罪悪感を感じる必要もありません。
ただただ、「そうなんだ」と気づくだけでいい。
こういうところって、ホ・オポノポノ的な考え方と共通ですよね。
ですから、出来事に反応することなく、「大丈夫だ」という安心感の中で生きれば良いのです。
気づいて学んだなら、それを踏み台にステップアップして、さらに大きな自己として生きるだけのこと。
こういう素晴らしいメッセージが、たくさん散りばめられています。
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