前回の「運命を拓く」に続いて、中村天風氏の本を紹介します。
これは公益財団法人天風会が3万円で販売している「心身統一法 入門編」というCDを書籍化したものです。
今は亡き天風氏の肉声を聴くことができるCDですから、とても貴重なものです。そしてCDで聴くなら3万円する知識を、わずか2千円弱で得られるというのが、本の素晴らしいメリットかと思います。
この中で天風氏は、独自に編み出された心身統一法について、わかりやすく詳細に説明しています。
心身統一法というのは、まず健康法でもないし、修養法でもないと言います。もちろん宗教でもないと。
では何かと言うと、こう言います。
「心身統一法とは、人生を幸福に生かすのに必要な条件を完全につくり上げる方法。」(p.25)
アメリカのロックフェラーから、いくらでも金をあげるから来てくれと招待された天風氏。
それほどまでに価値があるのだと、心身統一法を説明します。
幸福の逆の不幸の最たるものは何かと言うと、病、煩悶(はんもん)、貧乏だと天風氏は言います。
ですから、これらから離れれば、幸福に至るというわけです。
それでどうすればそれらから離れられるかというと、「第一が体力、第二が胆力、第三が判断力、第四が断行力、第五が精力、第六が能力」という「六つの力の内容量を豊富に」することだと説明します。(p.33)
その六つの力の内容量を豊富にする方法が、心身統一法なのです。
では、どうすれば心身を統一することができるかというと、「心身統一の四箇条」を守ることだと言います。
それが「心」と「肉体」の、それぞれの「持ち方」と「使い方」なのです。
特に重要なのは心の持ち方と使い方で、積極的な心の持ち方をすることと、常に観念を集中する心の使い方をすることになります。(p.73 - 76)
このように順を追いながら、わかりやすく心身統一法について天風氏は説明します。
ここで書かれている内容の多くは、すでに多くの人が語っていることです。
それは天風氏自身も言っています。
ただ、具体的な方法論において、独自性があるのだということです。
たしかに、宇宙霊と人はつながっているとか、心が主で肉体が従だとか、だから心を働かせることでコントロールできるなどということは、他にも多くの人が言っています。
では違いがあるという具体的な方法論は何かと言うと、「感応性能を強く」することで、それを次のように説明します。
「この感応性能を強くするには、三つの条件が解決されなきゃいけないんです。第一が観念要素の更改、第二が積極観念の養成、第三が神経反射の調節。」(p.100)
そこからまた、それぞれの条件が何かという説明になりますが、ここまでにしておきましょう。
あとはぜひ、この本を読むか、CDをお聞きください。
最後に、健康な肉体のために食生活を改めるように言っています。
それは、動物性タンパク質が人の身体に害を与えているから肉食を控えるように、ということなのです。
プトマイントキシンという物質が含まれていて毒性があるように書かれていますが、この説明の真偽は何ともいえませんね。
と言うのは、「プトマイントキシン」で検索しても、科学的な説明がされているサイトが1つもなかったからです。
ただ、「神との対話」シリーズでも肉食の問題を指摘しているし、ベジタリアンが増えているのも事実。
こうなったら自分の身体で確かめるしかないと思い、私自身が肉食を減らすことにしました。(笑)
これでやってみて、目に見える変化があるなら、理由はともあれ、肉食をしない方が良いという説を信じられるからです。
どうなるかわかりませんが、私も楽しみながら実験したいと思います。
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