どこで勧められたか忘れましたが、面白そうだと感じて買いました。
最初、いきなり特攻の場面で始まります。そう、この小説は第二次世界大戦の、特にゼロ戦乗りを題材にしたものなのです。
昨夜読み終えましたが、読み終えるまでに何度も泣きました。
昨夜は隣に妻がいるにも関わらず、私が涙をボロボロと流していたので、妻が腹を抱えて大笑いしましたよ。
それでも私は顔をくしゃくしゃにしながら泣き、嗚咽を漏らしたのです。
「これが日本なんだよ。これが日本人なんだよ。そして、このような先輩たちのお陰で、今の日本があるんだよ。」
その思いを妻にも伝えたかったのですが、そこまでタイ語力がないので断念しました。
戦争が悲惨なものという考えは持っていましたが、なかなか実感としては得られません。
それがこういう小説を読むと、実感として伝わってくるのでいいですね。
そして、丁寧に描写された当時の様子から、新たな気付きもありました。
特攻隊員は、本当に喜んで命を捨てたのか?
考えてみればわかりそうなことなのに、私もついつい思い違いしていたと感じたのです。
いかにひどい戦争であったか、ひしひしと伝わってきます。
そして、同じ状況を見ているのに、それぞれ見方が違うということも。これは面白いと思いましたね。
また、どうして軍部が暴走したのかとか、なぜ特攻隊などというものができたのかについても、興味深い理由が示されています。
それが正しいかどうかは別として、これも充分に考えられるものだと感じました。
もちろんこれは小説ですから、ドキュメンタリーのように事実に沿っていない部分もあるでしょう。
けれども、日本が戦争をしたということは事実だし、そこでは様々な愚かなことがあったということも事実です。
それを未来に生かすためにも、私たちは歴史を知らなければならないのだと思うし、この小説はその役に立つと思うのです。
今年の12月には映画として公開されるそうです。
日本にいるならぜひ観てみたい。そして、これは世界中の人にも観てもらいたい。そう思いました。
タイにいると、日本の映画はほとんど観られません。まったく残念なことです。

【本の紹介の最新記事】