単行本として出版されたのは2005年1月ですが、すでに2011年1月に文庫本として出版されていたので、文庫本の方を買いました。
サブタイトルには、「人生はよくなるようにできている」と書かれていますが、タイトルの方がもっと力強いですね。
本田健さんの生き方に関する一番のポイントが、この「人生は信頼に足るものだ」という考え方にあるように思います。
この人生を信頼するということは、「ユダヤ人大富豪の教え」(だいわ文庫)の中にも書かれていました。
主人公の青年を指導するゲラー氏に、次のように語らせています。
「君に覚えておいてもらいたいことは、人生を信頼することだ。一時的に見捨てられたように感じたときは、今日のことを思い出してほしい。必ず、助けはくるとね。人生を信頼できる者にだけ、幸せは訪れるのだから。」(p.109)
つまり、不安を持つ必要がないどころか、持ったら損だというわけです。幸せになれないのですからね。
この本では、その「人生を信頼する」ということを大きなテーマにして、1つのタイトルに関して2〜3ページぐらいで書かれています。
たとえば「最大のピンチは、最大のチャンス」(p.18)では、ピンチと思われることが、どうチャンスになるかについて書いています。
私も「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」などの記事を書いていますが、昔から多くの人がこういうことを言っています。
けれども、それに耳を貸さないから、自分の中ではそう思えないでいるのです。
この本では、最悪の離婚をした知り合いの女性が、しばらくして前の夫よりも誠実でぴったりなパートナーと出会えたという例を取り上げています。
私自身も、結婚式の3ヶ月前に、突然、婚約者からフラれるという破談を経験しています。しかも、携帯電話のSMS1本ですからね。
「そんなバカなことがあるか!」と怒鳴りたくなるほどの最悪の状態は、まさに最大のピンチでした。
しかし、その経験があったからこそ、今の結婚生活があるとも言えるのです。
いえ、間違いなく、あの経験があったからこそ、今のパートナーと上手くやれていると自信を持って言えます。
人間万事塞翁が馬と言いますが、何が吉兆であり、何が凶兆であるかわからないものです。
そうであるなら、ピンチの時にくさることなく、「これはチャンスだぞ」とほくそ笑むことだってできるのです。
この本の最後に「人生がもたらす、すべてを受け取る」と題して、このテーマの締めくくりとしてふさわしいことが書いてありました。少し長くなりますが引用しましょう。
「人生には、いいこと、楽しいことだけでなく、悲しいことや悔しいこともたくさん起きます。ときにはどう考えても理解できないような、不条理なこともやってきます。いいことだけ起きてほしいと願うのが普通でしょうが、残念ながら現実の人生は、それを許してくれません。
でも私は、その人にとってベストなことしか起きないと考えています。世間的に見てマイナスなことも、長い目で見れば、その人の人間的成長につながります。
悲しみが深いからこそ、他の人に対して共感できるのです。私が苦しい子供時代を送ったのも、いま、過去に同じ体験をしたり、その渦中にいる人に手を差し伸べるためだと思っています。
どんなことも、あなたの人生にとってベストのタイミングで起きています。それを全身で受け止め、祝福できるようになると、あなたは輝きを放つようになります。あなたが自分らしく輝くことは、あなたのまわりの大きな希望になることでしょう。」(p.249 - 250)
だから、不安に感じないでください。不安を感じても、人生を信頼して不安を手放してください。
あなたの人生は、きっとよくなるのです。
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