2013年06月11日

あふれるまで愛をそそぐ 6歳までの子育て



引き続き本吉圓子(もとよし・まとこ/円子とも書く)さんの本です。

こちらの方が「本吉円子の失敗させる!6歳までの子育て」の2年後に書かれた本のようで、編集の違いもあるでしょうけど、他の保育者を責めるような文は見あたりません。

子どもに対する愛情の重要性が、ひしひしと伝わってくる内容になっています。


書かれていることはだいたい同じなのですが、2冊読んでみて、2つの大きな柱があるように感じました。

1.子どもは甘えを必要としている。

2.子どもは本来、みんな良い子。


甘えを必要としているということに関しては、食欲や睡眠欲と同じレベルで、子どもが育つためには甘えることが重要な栄養なのだと言います。

ただし、甘えることと甘やかすことは違うと言って、好きなことを好きなだけさせるという放任には反対します。


甘えさせるというのは、たっぷりと愛をそそぐことだと言います。

では、どこまで注げば良いかというと、子どもが満足して「もういいよ」と言うまでだと言って、あくまでも子どもの感覚が重要だという考えです。


印象的なことが書かれていました。

それは、おねしょをする子は感受性が豊かだと言う話です。


実は私は、小学校6年生のころまで、ときどきおねしょをしていたのです。

本当におねしょが治ったのは中学1年生になってからで、たしか高校生になってからも1回やってます。(汗)

恥ずかしい話ですが、私はそういう子どもだったのです。ですから、本吉さんの言われることがよくわかります。

そういう子どもはつらいことがあっても、それをいうとお母さんが悲しむことを知っていますので、なにもいわないで、そのつらさを自分一人で抱え込んでしまいます。それがおねしょや寝ぼけなどになって出てくるのです。

(p.148)


私の両親も共働きでしたから、母は仕事から戻ってから、すぐに炊事を始めます。

やっと帰ってきた母親に甘えたくても、母は「あとでね」と言うばかりです。

食事が終わっても、後片付けは母がやります。それを待って、やっと甘えられると思ったら、今度は「疲れたから少し休ませてよ」と言って、テレビを見るのです。

甘えたい。でも、大変だということはわかる。その気持ちを、ずっと自分の中に押し殺して育ちました。

あるときは耐え切れず、おもちゃの鉄砲で撃ったこともありましたけどね。こっぴどく叱られました。

叱られながら、理不尽だと考えていたのです。


この中に、盲導犬の第一号になったチャッピーの話も出てきます。

どれだけ訓練しようとしてもダメで、盲導犬にすることを一度は諦めたチャッピーです。

それが、訓練を諦めてかわいがり始めた途端、言うことをきくようになったと言うのです。

今、盲導犬を育てるときは、最初の1年を徹底的に甘えさせることにしています。

そのことも、チャッピーの事例からわかったことなのかもしれませんね。


この本はタイトルにもあるように、「6歳までの子育て」用に書かれています。

けれども私は、これはすべての人に対して言える真理だと感じています。

子どもだけじゃない。今、大人になっている人だって、充分に甘えて育たなかった人は、心の奥に押さえつけているものがあるのです。

それを解放してあげないと、その人らしく生きることもできないでしょう。

誰もが本当は、たっぷりと甘える感覚を味わいたいのです。共感してほしいのです。

それを味わうことができたなら、何の不安もなく独りで生きていける。


そんな気がしてきました。

あふれるまで愛をそそぐ 6歳までの子育て
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 11:31 | Comment(2) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
赤木さん

ほんとうですね。
子育てを学ぶことは、人間そのものを学ぶことだと思います。

よい本をご紹介くださり、ありがとうございました(^_^)
Posted by 広瀬つみき at 2013年06月12日 00:04
> 広瀬つみきさん

コメント、ありがとうございます。

他にも似たような本はありますが、本吉さんの本が一番読みやすく、変に政治的なことに首をつっこんでないので、オススメだと思います。

ことの本質は、「愛」かどうかだけです。
ある子どもの一部を愛して、一部を愛さないというなら、それは愛ではありません。
自分の好みを押し付けているだけです。

同様に片方を愛して、片方を愛してないというなら、それは愛ではありません。
ですから、子育て本に政治的な思惑を持ち込み、対立する主張をする人々を批判するなら、それは愛ではないのです。

そのことに気づかないと、子どもを本当の意味で愛することはできないと思います。
愛は、すべてを受け入れ、心から信じるものですからね。
Posted by 赤木 (幸せ実践塾塾長) at 2013年06月12日 11:47
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