「ん?なぜに子育て本の紹介?」
そう思われるかもしれませんね。私は男性だし、まだ子どもはいませんから。
けれども、子育てとか教育というのは、人間関係の根幹だという思いがあるのです。
そして人間関係こそが、その人の幸せだとか、その人らしさを発揮する上で、大きな影響を与えていると。
最近は児童虐待だとか学級崩壊、そしていじめなど、子どもに関する様々な問題が報道されます。
それを目にするたびに、「どうして愛さないのだろう?」と思うのです。
盲導犬を育てるとき、子犬は1年間、里親の元で愛情をたっぷりかけられるのだそうです。
その間は、怒ることはもちろんですが、無理にしつけすることも禁止です。ほめて、大事にして、甘えさせるのです。
「犬でさえそうやって育てるのに、人間の子をどうして同じように育てないのか?」
それが私にとっての疑問でした。
この本で本吉円子さんは、しっかりと抱いて甘えさせることが大切だと主張しています。
そのことを知って、私が考えていたことは間違いではないのだなと意を強くしました。
本吉さんは、叱らないで受け入れること、自由にさせることが重要だと言います。そこから自由保育が生まれました。
しかし、自由にすることは放任することではなく、一人ひとりの子どもに合わせて、真剣に徹底的に付き合うことなのだと言います。
また、虐待を受けるなどして問題を抱えた子どもの場合、その子を直接どうこうしようとする前に、まずは母親を受け入れることが大切だと言います。
母親が子どもを愛する感情を取り戻さない限り、問題は解決しないからです。
そしてトラブルを怖れないこと。排除しないこと。
なぜなら、トラブルによって人は育つのですから、トラブルは成長のためのチャンス(機会)なのです。
購入者のコメントに、「高飛車な感じがして嫌だ」というものがありました。
たしかに読んでいて、自分のやり方で間違いがないという自信が目につき、他の保育者をバカにしているように感じる部分もありました。
けれどもそれは、仮に自分が嫌われたとしても、このことを明確に伝えずにはおかないという強い信念の表れのようにも感じます。
子ども(大人でも)を無条件に受け入れ、しっかりとハグする。
まずはそこから始めてみませんか?
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