タイに住んでいる人しか関係がない話題ですけど、入国審査ではいろいろと悩むことがあるのです。
その1つが、タイの入国カード(出入国カードの半分)に記入するビザ番号(Visa No.)です。
そこには14桁の枠があるだけで、何を記入すればよいか、具体的な説明はありません。
手引書を読んでも、「ビザ(査証)所持者のみ記入」とあるだけです。
日本などタイ国外で旅行ビザなどを取得して入国する場合は、何も問題はありません。そのビザ番号を書けば良いのです。
ところが、問題が起こるケースがあります。それは再入国時です。
入国した後に一度でも出国すると、最初の入国時に使ったビザは無効になってしまいます。
なので出国時は、再入国許可(リ・エントリー・パミット:RE-ENTRY PERMIT)を取得して、もともと許された滞在期間を保証してもらうのです。
そこで問題になるのは、再入国するときに入国カード(ARRIVAL CARD)に記入するビザ番号は、「どの番号を書けば良いのか?」ということなのです。
長期滞在者だと、最初に入国した時のビザの期限が切れ、タイ国内でビザの更新を行います。
私も仕事で来ているので、Bビザ(ビジネス・ビザ)を毎年更新しています。
入国して1年が近づくと、ビザの更新を行います。すると、パスポートには以下のような記入が加えられて、滞在可能期間が延長されます。
これは2010年11月2日に更新申請し、調査期間として11月30日までの滞在期間延長が認められた後、正式に2011年11月15日までの滞在許可をもらったことが記されています。
左上が番号で、「13602/53」と書かれています。
私は最初、この番号を入国カードに書いていました。
だって、これがビザ更新して滞在期間を延長したものだし、これによって私は、タイに滞在することが認められているのですから。
一方、再入国許可(リ・エントリー・パミット)のスタンプはこうなっています。
これはマルチプルなので、期間内は何度でも再入国が可能になります。
そしてここにも似たような番号が書かれていて、Number欄に「21727/54」とあります。
ある日、日本から戻ってきて入国審査を通過しようとした時、トラブルが発生しました。
審査官が私に、「ビザがない」と言うのです。
「いや、そんなはずはないよ。」そう思ってパスポートをめくり、滞在期間が更新されたビザのページを示しました。
すると審査官は、「これはビザじゃない」と言います。
私は困ってしまいました。
「でも、以前も同じようにして、何度も入国しているんだけど・・・。」
審査官は、「おまえはこれが読めないのか?」とバカにしたような口調で、更新されたビザに書かれている英語を読み上げます。
私には、彼が何を言わんとしているのか、さっぱりわかりません。
後に並んでいる人に迷惑をかけていると思うと、それだけでも恐縮してしまいます。
そのときピンと来て、「ひょっとしたら、こっちがビザか?」と、再入国許可の方を指して問いました。
すると審査官は、「うーぅ」とアゴをしゃくるようにして言ったのです。
私は入国カードのビザ番号を、再入国許可の番号に書き換え、それで何とか入国することができました。
後に並んで待っておられた方々には、本当にごめんなさいね。
たしかに、これまでは何度も、更新されたビザの番号を書いて問題なく通っていたのです。
他の方のブログを読んでも、「どっちを書いてもいいよと言われた」という情報もありました。
しかし中には、機嫌の悪い審査官もいて、再入国許可がビザだと主張して譲らない人もいることを、知っておいた方が良いかもしれません。
考えてみると、言葉の使い方があいまいだったように思います。
ビザ(査証)というのは、入国審査において必要な、身元審査の一種であって、それだけで滞在が許可されるものではありません。
仮に1年ビザであっても、入国審査で半年の滞在を許可するスタンプを押されてしまうと、半年しか滞在できないのです。
そういう意味では、再入国許可(リ・エントリー・パミット)の方が、入国審査におけるビザの役割を果たしているとも言えます。
それがなければ、更新されたビザというものは、何の効力もないのですから。
また、ビザ更新と言ってしまうので、滞在期間の延長を示す記述をビザと思ってしまうのですが、考えてみればあれは、入国時に押される滞在期間を許可するスタンプと同じようなものかもしれませんね。
いわゆる滞在許可とか在留許可と呼ばれるものです。
それらは単に、その期間なら合法的に滞在できますよということを示すもので、期限までに出国すれば、その効力は消えてしまいます。
「それなら再入国許可の番号を単にNumberにせず、Visa No.にしてくれよ!あるいは、RE-ENTRY VISAにしてくれ。」と考えてしまうのは、私がIT業界にいるからかもしれませんね。
言葉がちょっとでも違うと、それは別のものを意味しているのではないかと、職業上そう思ってしまうのです。
「ビザだったらどこかにVISAと書いてあるべきだろう。」
それが当然のことだと私などは思うのですが、世の中はそうではないことの方が多いようにも思います。
人にはそれぞれ、自分の基準というものがあるので、それで良いという人もいれば、それじゃダメだという人もいます。
どっちが正しくてどっちが間違っているかではなく、それぞれの価値観においてはどちらも正しいのです。
私自身は、なるべく寛容な生き方をしたいと思います。
2013年05月28日
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