何とも長いタイトルの本ですが、日米で4000人もの人を変えたというセラピストが書いた本だということなので、どういうことをやっているのか知りたくて読んでみました。
プロローグに、こう書かれていました。
「実は、つらい感情がわいてきて、どうしても止められないとき、本当は、わたしたちがずっと以前に負った”こころの傷”が傷んでいるのです。それは、子ども時代に負った「愛情飢餓」の痛みです。」
みごとに核心をついています。まあ著者の古宮昇氏は、心理学博士でもある臨床心理士ですから。当然と言えば当然ですね。
ただ、「愛情飢餓」という言葉に惹かれました。
だってこの一言で、みごとに問題の本質を捉えているのです。
愛情の欠乏じゃないのです。そんな生やさしいものじゃない。飢餓。まさにそう。ほしくてほしくて、餓死しそうなほどほしい愛情なのです。
本文は非常に読みやすく、著者自身の内面の問題と向き合った経緯なども取り入れながら、実例豊富に解説してあります。
いろいろなパターンに分けていますが、要は「愛情飢餓」なんですよね。
p.141には「「不幸のメリット」を捨てる」と題して、不幸から抜け出せない人は不幸のメリットを感じている、と指摘しています。
これはなかなか面白いと思いました。
たとえば、不幸なフリをしていると他人から関心を得られるとか。やったこと、ありませんか?私はあります。
またp.178の「「不幸せ思考」を「現実思考」に変える」では、感情は思考によって変わるので、その思考を変えることだと書いてあります。
まさに私が言っているのと同じですね。
ただ、具体的にどうするかについての解説が、少ない感じがします。
指示はされているのですが説明が少ないため、その通りにやって上手くいく人は多くないかも。
最終的にはセラピストなどに相談して、ということなのでしょうね。
もちろん、それほど問題が大きくないのであれば、この本に書かれていることをちょっと実践してみるだけでも、効果は感じられると思います。
最後に著者は、自分のミッションとして、「たくさんの人々が幸せで充実した人生を送る助けをする」ことだと書いています。
これには非常に共感します。
私自身も、同じような思いですから。

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