前作の「夢をかなえるゾウ」が面白かったので、第2弾のこの本も買ってみました。
あっと言う間に読み終えてしまいましたが、前作以上に物語としての完成度が高く、素晴らしかったです。
今回は、サブタイトルに「ガネーシャと貧乏神」とあります。
この貧乏神の幸子さんが、いい味を出しているのです。
主人公のガネーシャがストーリーを引っ張っていますが、主題的な部分では、脇役の幸子さんが中心のような気がしました。
読みながら、「これはいい!」と思ったところのページを折り曲げていたのですが、全部で5ヶ所もありました。
それがすべて、幸子さん絡みなのです。
もう、惚れちゃいそうなくらい素敵なキャラです。(笑)
今回読んで感じたのは、「これ、「神との対話」シリーズを参考にしているんじゃない?」ということです。
たとえば、p.142にはこう書かれています。
「不安に実態はない。自分の不安に対する姿勢が、そのまま不安の大きさを決める。」
またp.184には、貧乏神から嫌われる(=金持ちになる)方法として、こういうことが書かれています。
「自分が困っているときに、困っている人を助ける」
また、p.185にある幸子さんのセリフには、驚かされます。
「実は「他人に対する言葉や行動は、自分に対する言葉や行動」でもあるんですよ」
まさに「神との対話」シリーズに書かれていることばかりです。
また、p.192の釈迦の言葉も秀逸ですね。
「世界とはつまり、そのような場所なのですよ。感動するために、忘れてくるのです」
これなどは、なぜ私たちがこうなのかということについて、「神との対話」で語られているものではありませんか。
そしてp.240の幸子さんのセリフも素晴らしい。
「でも、どんなつらい状況でも、それを楽しもうとする気持ちさえあれば、人は、自らの手で喜びを作り出すことができます。お金がなくても、人は幸せになることができるんです」
これだけ一致点があるのに、巻末にある参考文献に「神との対話」シリーズは入っていません。
でも、それこそ私が言ったように、「「神との対話」シリーズに書かれていることは目新しいことではない」、ということを証明しているのではないでしょうか。
今ある状況に喜びを見出し、その場で幸せになること。
それが実は、困難な状況を抜け出す最善の方法である。
そのことを、この本では語っているように思います。
第1作も良かったので、まだの方はこちらもどうぞ。(文庫本もありますよ。)
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