吉江勝さんの新刊、「どんな人にも1つや2つ儲けのネタはある!」を読みました。
以前に紹介した「人生を好転させるたった2つのこと」は、吉江さんらしく「生き方」のテーマに正面からぶつかるような内容でした。
つまり、「ワクワクするような好きなことをやる」ということと、「やることに使命を見出して全力をつくす」ということです。
今回は、タイトルだけ見ると、安直な金儲けの話のようにも思えます。
けれども、吉江さんのテーマはそのままに、それを具体化する方法について深く掘り下げています。
しかも、単に今の会社が面白くないからとか、良い所に就職できないからというような、個人の事情だけを理由にしているのではありません。
時代がすでに変わろうとしており、これからは会社ではなく、個人の生き方が問われる時代になると言うのです。
このことは、神田昌典さんもその著書「2022−これから10年、活躍できる人の条件」の中で言っています。
因みに神田さんの本で、「小予算で優良顧客をつかむ方法」がリメークされて出版されていますが、これもマーケティングを勉強するには最高の本だと思います。
それと「全能思考」という本も、物語が解決策を創り出すという考え方が、とても面白いと思いましたので、合わせて紹介しておきます。
話を戻すと、吉江さんの本は、誰もが起業して食べていけると断言し、その具体的な方法を示しています。
しかし本書は、単に金儲けの勧めではありません。
そうではなく、生き方の提言です。
自分らしく生きることを追求することが、幸せで豊かな人生につながるのだということを言わんとしているのです。
特にp.207からの「おわりに」に書かれていることが、この本のテーマなのだろうなと感じました。
そこには、こう書かれています。
> もし、目の前に神様が現れて
> 「あなたの好きなことを一つだけ与えよう」と言われたら
> あなたは何と答えますか?
さあ、あなたは何と答えますか?そして、吉江さんは何と答えたのでしょう?
ここを読みながら私は、論語にある孔子の話を思い出しました。
4人の弟子に対して、「自分のことを評価されないと嘆いているが、もし評価されたらどんなことをしたいか?」と尋ねたという「先進篇第十一26」の話です。
弟子の3人は、それぞれ国の宰相になって立派な政をしたいというような抱負を語ります。
しかし最後の弟子、曾皙(そうせき)は、他の3人とは違うことを答えます。
「春の終わり頃に、友人や子どもたちと一緒に川へ水浴へ行って涼み、歌を歌いながら帰ってきたい。」
そんなどこにでもあるような、穏やかな1日が望みだと言ったのです。
それに対して孔子は、「私もそうだよ」と答えたのでした。
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