最近、「メンタル・ブロック」という言葉をよく聞きます。
あるいは、「マインド・セット」などという言葉も。
カタカナにすると何でもかっこよく感じますが、要はより高い自分の価値を認められない心がメンタル・ブロックで、高い価値を認めるような心の持ちようを実現する方法がマインド・セットです。
自己肯定感とも言いますが、自分はこれでいいのだと、自分で自分を承認することです。根拠のない自信も、同じことを指しています。
これが足りないと昔の私のように、おどおどビクビクと他人の顔色を伺うようになります。
そして、そんな自分に腹を立てます。本当の自分はそんな価値の低い存在じゃないと、どこかで気づいているからです。
本当はもっと価値が高いのに、他人が認めてくれない。これは認めない他人が悪いのだ。そう思って、他人を恨み、復讐しようとします。
本当は、完全な一人相撲なのです。自分が自分の価値を認めさえすれば、自分も他人も恨まなくて済むのに。
それを、自分にはそんな力がないと思いこむことによって責任を放棄し、その責任を他人に押し付けているだけなのです。
自分を助けないのは自分なのに、他人が助けてくれないと怒っているようなものです。
さて、そのメンタル・ブロックを解除して、より高い自分の価値を認めることですが、主に「お金」と「恋愛」の問題に関して利用されているようです。
もっとお金がほしい。お金が得られないのは、お金に対するメンタル・ブロックがあるからで、これを解除すればお金が儲かるようになる。
もっと異性からもてたい。異性からモテないのは、恋愛に対するメンタル・ブロックがあるからで、これを解除すれば異性からモテるようになる。
そういう自分の欲求を満たすために、自己暗示(アファメーション)によってメンタル・ブロックを解除するという方法が示されています。
このことは間違ってもいないし、悪いこととも思いません。
いやむしろ、それで幸せになれるなら、喜ばしいことだと思います。
けれども、おそらくこの方法では、多くの方は目的を達成できないだろうなと思います。
なぜなら、その目的が「お金」や「恋愛」であり、それに執着しているからです。
理屈から考えると、そうなるのです。
潜在意識は、そこにあると思うものを実現します。あると信じるから引き寄せるのです。
しかし執着心は、不安から生じます。そこにない、あるいは、なくなってしまうかもしれない、という不安です。
この不安がある限り、メンタル・ブロックは完全に解除されないし、その不安が現実になるのです。
では、どうすれば良いのか?
不安というものは存在しない、ということを知れば良いのです。
不安は幻想です。不安を生み出しているものは幻想です。お金がない、お金が足りないというのは幻想です。モテないというのは幻想です。
そういうことを理屈で理解すれば、その幻想が現実のように見えたとしても、幻想にしがみつかなくて済みます。
つまり執着心を克服して自由になること。解脱。悟りを開く。どう表現してもかまいませんが、人間本来の自由を取り戻すことです。
人は本来、みな等しく、そしてそれぞれが特別に、尊いものなのです。
何をするか、何をもっているかに関係なく、人であること、生命であることだけで、素晴らしい価値があるのです。
それ以外のことには、大した価値がありません。お金も恋愛も、そのことそのものには価値がないのです。
それを忘れていただけ。本来あるものを見失っていただけ。青い鳥が自分の中にあることを忘れてしまっただけなのです。
それを思い出しましょうと、私は言っています。
けれど、私が尊いのではありません。誰かが特別なのではありません。誰もがみんな、特別で尊いのです。
だから、誰かの言葉にしたがう必要はありません。それどころか、したがってはいけません。
自分の心の中にこそ、その答があるからです。
自分の心が、「これが私らしいことだ」と思ったとき、それを自分の選択として、自分の心にしたがうのです。
2012年12月06日
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