そして「存在」を利用するのには、「わたしは・・・・である」という宣言が有効だと。
その前に書いた2つの魔法の問いかけというのも、実はその宣言を使うためのものだったということも言いました。
ただ、その宣言を使う場合でも、感謝もしていないのに「ありがとう」と言うだけでは、効果が少ないという話もしました。
それは、支える思考というのがあるからです。
宣言を利用することで何かが得られると考えれば、「何かがないからそれをやっている」ということを認めることになり、その考えが次の現実を創造してしまうからです。
それで、その解決方法についても、そのあとに書いてあると言いました。
そのヒントとして、「この世は幻想だと見抜くこと」だと。
ということで、今日はそのことについて書きます。
たとえばお金持ちになりたいのに、お金がない現実があったとしましょう。
そのとき、「お金がほしい」と言えば、宇宙(潜在意識)は「わかった、あなたはお金がほしい、という存在だ。」と答えます。
つまり、私たちの思考は、常に私たちが何者であるかという宣言になっているのです。
そこで、「私はお金持ちだ」と宣言すれば良いということなのですが、どうしても「そうは言っても現実にはお金がないしなあ。」と考えてしまいます。
言葉でどんなことを言ったとしても、それをウソだとわかっていたら、その言葉で自分を騙すことはできません。
したがって、宇宙を騙すこともできないのです。
どうして、そういうように思ってしまうのでしょうか?
それは不安があるからです。
「自分にはお金持ちになるだけの価値なんてないよ。」
無意識にそう思っています。
それは周りの人たちから、そう教えこまれてきたからです。
そういう心に不安を持ったままの私たちが創造する現実には、好ましくないことがたくさん起こります。
そして、それを見ることで、「やっぱりそうじゃないか。」と自分の考えを追認するのです。
なのでまずは、現実に起こる好ましくないことに対して、どう対処するかということが課題になります。
たとえばお金持ちになりたいと思っているとき、財布を落としてしまうかもしれません。
そんな出来事があったとき、どう考えますか?
「ツイてないなあ。どうしてこんなことになっちゃうんだろう?あのとき、あいつが急に声をかけるから、カバンに入れたつもりで注意しなかったのが悪かったんだ。あいつが悪いんだよ。ちきしょー!」
もう完全に現実に翻弄されていますね。
こういうことを繰り返してきたから、私たちは好ましい現実を創造できなかったのです。
神は、すべてを受け入れ、祝福し、感謝することを勧めます。
では、「神との友情・下」から引用しながら説明しましょう。
「すべてを受け入れるとは、いま目の前に現れたものにあらがわないことだ。拒否せず、押し戻さず、逃げ出さず、抱きとり、つかみ、自分自身であるかのように愛することだ。それは自分自身なのだから。あなた自身が創造した楽しいものなのだから。楽しまなければべつだが。」
「楽しまなければ、自分が創造したものを引き受けまいと抵抗することになる。抵抗すれば相手はかえって強くなる。」
「だから、楽しみ、喜びなさい。もし、現在の状況や条件が変えたいと思うようなものなら、べつの方法で体験することを選択しなさい。外へ現れた姿、外見はまったく変わらないかもしれないが、内なる体験は変えられるし、変わる。あなたの決心しだいだ。」
(p.108)
起こることはすべて、良いことだと決めるのです。
見方(視点)を変えることで、それができます。
そうすればどんなことが起ころうとも、それに振り回されることなく、自分がそうありたいと考える状態に自分を置くことができるのです。
現実に起こっていることは、それがどんなことであっても、私たちが創造したものであり、それは私たちが自分自身を体験するためのものです。
そのために創られた幻想だとわかれば、その幻想に振り回されず、自ら幻想を創る原因となることができます。
だからその前に、起こったすべてを抱きとり、受容するようにと言うのです。
「だが愛と受容があれば、ふれあうすべてを祝福できる。」
「すべてを愛し受け入れれば、すべてを祝福することになる。そうすればあなた自身もふくめて誰もが全面的な喜びにひたれる。」
(中略)
「すべてを祝福する神は、なにごとも非難しない。神の世界では非難はなく、称賛があるだけだ。あなたがたがする活動や仕事、真の自分を知って経験することが称賛される。」
(p.111-112)
私たちの体験がどんなものであれ、それは自分自身の素晴らしさを体験する旅の途中であり、その体験なしには先に進めないものなのです。
だからどんなに避けたい出来事が起ころうとも、それを受け入れ、抱きしめることが大切なのです。
「相手を非難したって、変えることはできない。それどころか、非難すれば反復させることになる。」
(中略)
「非難しないからといって、変えようとしないわけではない。非難しないからといって、肯定していることにはならない。ただ、批判を拒否するというだけだ。」
「批判しなくても、変えることを選択できる。」
「変えようという選択は、必ずしも怒りから発するとは限らない。それどころか、怒りが少ないほど、ほんとうの変革の可能性が高まるのだ。」
「人間はよく変化を正当化するために怒りを利用し、怒りを正当化するために批判する。そうやって多くのドラマを創り出し、批判を正当化するために傷ついたという。」
(中略)
「すべてのひと、人生のすべての状況が贈り物で、天使であり、奇跡だと思えなければ、それはできない。そう思えれば、すべてに感謝できる。」
(p.113-114)
こうして、すべてを受け入れ、祝福し、感謝するようになります。
そうすれば、私たちは本当に望む現実を創造できるようになるのです。
何も必要なものはありません。だって幻想なのですから。だから、不安を持つ必要性もないのです。
大胆に、自分らしさを求めましょう。その勇気が、あなた自身を変えるのです。
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