2012年08月15日
セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱
これはタイトルもちょっと衝撃的ですが、内容も実に衝撃的です。
東大出身の著者、坂爪慎吾さんが、性の問題に真正面から取り組んだ記録のような本です。
最初は、東大のゼミの研究テーマとして、インパクトのある性風俗に関するものをあげたところから始まります。
そして研究してみると、性に関して、社会的に実に貧弱であることがわかり、それを自分で変えようと奮闘することになるのです。
最初はもっとも受け入れられやすい、障害者の射精介助というところから入ります。
しかし、性の問題は障害者だけの問題ではなく、一般の人も同じだということで、性の公共を求めてホワイトハンズの活動を広めているのだそうです。
私は、必ずしも著者の考えに全面賛成するわけではありません。
しかし、性がタブーとされているがための弊害に関しては、同じように考えています。
障害者の性の問題に関しては、脳性麻痺を患いながらも障害者の自立支援活動をされている小山内美智子さんの著書を読んだことがあるので、そのときに考えさせられました。
考えてみれば、障害者だって性の欲求があってもおかしくはありません。
それをタブー視するために、障害者や老人介護の施設では、性の問題に耳をふさぎ、ないことにしてしまっているのです。
自分で性欲の処理され許されない社会が、本当に健常な社会といえるのか?
そのことを、よくよく考えてみる必要があると思うのです。
また、健常者にしても、何の予備知識もなしに大人にされてしまっています。
どうやってセックスするの?
そんなこと、親はもちろん、学校も教えてはくれません。
その空白地帯を埋めるように、興味本位のAV(アダルトビデオ)やエロ雑誌などがはびこっています。
そんな社会が、本当に健常な社会と言えるのでしょうか?
この問に、私たち大人が答えなければならないのです。
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