給料はたしか20万円くらいだったと思います。
手取りで16万円くらいあったでしょうか。
これで生活をしていかなくてはなりません。
一人暮らしそのものは、高校を卒業してからずっとですから、慣れていないわけではありません。
※途中で新興宗教にハマって集団生活 はしましたけど。
ただ違っていたのは、もうそう簡単には誰も助けてくれないという気持ちがありました。
なぜなら、社会人だから。
2つ目の大学に入った時点で、経済的に親にはもう頼れないと思っていました。
でも、新聞奨学生だった ので、販売店で朝夕の食事を提供してもらえたし、基本的にアパート代も販売店持ちでした。
学生という気安さから、それほどビシッとした身なりもしてなかったので、大してお金もかからなかったのです。
それが今度は、家賃、水道光熱費、食費はもちろんのこと、勤務に必要なスーツやワイシャツ、ネクタイなどの購入費や維持費(クリーニング代)も必要です。
もし病気にでもなって働けなくなったら、それこそ食べることさえままなりません。
漠然としたものでしたが、そういう不安があったのです。
それで私は、少ない給料ながらも、貯金をすることにしました。
月に5千円でも良いから、お金を貯めようと思ったのです。
目標は、1年間は生活していけるだけの金額。
そこでハタと思いました。1年間生活するのに、いったいいくら必要なの?
なんとなく漠然と計算することはできましたが、本当にそれで正しいかどうかわかりません。
それで実際、1ヶ月にどれだけのお金が必要なのかを知ろうと思ったのです。
そういう動機で、家計簿をつけることにしました。
単純ですが、よくある家計簿の費目に分けて、毎日の出費を記録しました。
その結果、家賃37,000円のアパートに住んで、月に12万円もあれば十分に生活できるとわかったのです。
これは1年間、家計簿をつけた上での平均です。
たとえばバイクの保険料だとか税金、帰省費用など、年に1回だけかかる大きな出費もありますから。
また交際費(飲み代、冠婚葬祭費)なども、月によって変動が大きいです。
そういうものをならして、月に12万円、年間で144万円あれば生活できるとわかったのです。
そこで今度は、貯蓄額を150万円に定めました。
ともかく150万円貯めれば、1年間は働かなくても生きていける。
その安心を得るために、150万円を貯めようとしたのです。
今思うと、ずいぶんと不安に突き動かされていたのだと思います。
でもこのことによって、いくらあれば生活できるのかという基本的なデータが得られました。
そのことによって、心配性の私でも、安心できるようになったのです。
あの頃の食費は、飲み代も含めて月に15,000円くらいでした。
それくらいで抑えられたのは、親がよく米を送ってくれたからです。
田舎には田んぼがあって、近所の人に米を作ってもらっていたのです。
米代がほとんどかからなかったというのが大きかったですね。
それと、滅多に飲みに行きませんでしたから。せいぜい月に2回くらい。しかも1回あたり3千円以下でした。今とは比較にならないくらいに質素でしたね。
それと、お昼は自分で作った弁当でした。
ご飯の間に冷凍のハンバーグを挟んだだけみたいな簡単なものばかりでしたけど。
温めるだけのハンバーグやミートボールは、弁当のおかずの必需品でした。
あと、毎週休みの日に買い物をして、調理して冷凍しておいたものもありましたね。
炒め物などをするときは、朝ごはんと弁当のおかずが同じ。
食生活は豊かとは言えませんでしたが、一人で生きることの自信を深めていった時期だったと思います。
でも、こういう質素な生活をしてきたことは、ある意味で自信になります。
私はお金がなくなったら、いつでもそのくらいまで生活レベルを落とせるとわかっているからです。
実際に体験してみるということは、自信を得る上でも重要なことだと思います。
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