私は毎朝5時には起き、6時には家を出て会社に向かうという生活を始めました。
どうしてそんなに早く起きるかというと、2つ理由がありました。
1つは、それまで新聞奨学生として朝3時までに起きる生活をしていたので、朝早く起きられる体質を残したかったからです。
もう1つは、朝早い電車に乗ることで、少しでも混まずに通勤したかったからです。
それまで3時起きの生活でしたから、5時まで寝て良いのだと思うと、すごく楽だと感じたことを覚えています。
なんでもそうですが、何と比較するかですよね。
それまで8時とかに起きていた人だと、辛くて仕方ないでしょう。
事実は同じ、5時に起きることです。でも、その感じ方が異なるのは、比較する対象が異なるからです。
6時に家を出ると、6時10分くらいの電車に乗れます。
当然、座ったままで池袋まで、45分の楽々通勤です。
そこで階段を下って登ればもう山手線外回りのホーム。乗り換えて五反田まで行きます。
運が良ければ、新宿駅くらいでまた座れます。座れなくても、7時台の山手線は、まだそんなに混んでいません。
会社には、7時半くらいに入ります。
ここで、早朝出勤のメリットがありました。
たいてい私が朝一番に、鍵を開けて会社に入ります。
始業までに余るほどの時間がありますから、新聞を読んだりしながら自由な時間を過ごせます。
後から他の社員が出社してきますが、私が出迎える立場になります。
そうすると、新入社員なのに、その会社が私のもののような気がしてくるんです。
私がその場(会社)の主人で、他の社員がお客さんというような感じです。
会社に自分の居場所がないと感じている人は、ぜひ試してみてください。
私は朝5時に起きてから家を出る前に、部屋の掃除をすることにしていました。
精神修養のようなつもりでやっていたのです。
まあほんの20分ですけどね。あとは弁当を用意していました。
会社に早く行って、新聞を読むだけでは時間が潰れないので、私は会社の机の上を拭くことを始めました。
自分の机だけでなく、他の社員の方の机も拭くのです。
もちろん、物は触らないようにしますけどね。
社長の机を拭いたついでに、ちょっとだけイスに座らせてもらったりもしました。ナイショですよ。
これなども、その会社を自分のものだという感覚にさせてくれる行為だったと思います。
そんな私ですが、ある日、とてつもなく寝坊したことがありました。
時間は忘れましたが、多分、目覚めたのが7時半くらい。
目覚まし時計を2つ時間差でセットしていたのですが、どちらも消して二度寝してしまったのです。
通勤には1時間半かかりますから、9時の始業に間に合わないと思いました。
とっさに思いついたのは、バイクで行けば間に合うかもしれない、ということでした。
電車の方が最高速は早いかもしれませんが、駅に止まる時間がロスです。
坂戸からなら、すぐに鶴ヶ島インターで関越道に乗れますから。
その当時、関越道は首都高に接続していなかったので、練馬までしか行けません。
それでも早いのではないかと思い、一か八かの賭けに出たのです。
ふっ飛ばしましたよ。何キロ出したか言いませんけど。
しかし都心に入ると、どうしても渋滞や信号があってスピードが遅くなります。
それで私は、新宿でバイクを置き、山手線に乗り換えたのです。
ギリギリ始業の5分前に出社できました。
その日は終業まで、バイクのことが気になって仕方ありませんでした。
無事だということがわかったときは、本当にホッとしました。
二度と遅刻しないようにしよう。
そう改めて決意し、その日からは目覚まし時計の1つを、枕元から離して置くようにしたのです。
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