「ピンチはチャンスだ!」とよく言われますよね。
私も、そう言っています。
これは、昔から言われたことなのです。
帝王学という学問があります。つまり、リーダーを養成するための学問です。
帝王学を学ぶことによって、人々の上に立つ資質を身につけることができるとされています。
その帝王学では、大人物になるには次の3つの経験が必要だとされています。
1.大病 : 生死をさまようような病気や怪我による長期入院、そして後遺症です。
2.貧乏 : 経営者だと倒産も含まれます。
3.収監 : 監獄に入れられ、自由を奪われ、不遇の月日を過ごすことです。
つまり、このように苦しめられる経験(失敗,挫折)を積むことによって、人は自分自身を変え、大きく成長できると言われているのです。
幕末の英雄、西郷隆盛もそういう不遇を経験した人でした。
安政の大獄によって追われる身となり、月照と入水自殺を試みるものの、自分だけが助かってしまいます。
この苦しみは、想像をはるかに超えるものだったと思います。
薩摩藩は西郷を、幕府の目から隠すために奄美大島に赴任させます。
中央で活躍する立場から、一転して地方の何もないようなところに左遷されたのと同じようなもの。
そこで約3年間を過ごします。
その間、「もう自分が世にでることはないのかもしれない」と、何度考えたことでしょう。
それでも西郷は諦めず、時を待ちました。
その後、親友の大久保利通の進言もあって、また中央に復帰します。
しかしまた、君主久光の逆鱗に触れ、今度は沖永良部島に罪人として島流しされます。
普通ならもうここで意気消沈し、人生を悲観してしまうでしょう。それでも西郷は諦めませんでした。
何度も何度も死の淵から蘇った西郷は、明治維新の立役者となっていくのです。
西郷にとって、ピンチは本当にピンチだったでしょうか?
そのときはおそらく、耐え難いピンチだったかもしれません。
でも、西郷は諦めませんでした。それによって、ピンチがチャンスとなったのです。
その過酷な体験は、西郷の心をどれほど鍛えてくれたことか。
孟子に、こういう言葉があります。
「天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先づ其の心志を苦しめ、其の筋骨を労し、その体膚を餓やし、其の身を空乏(くうぼう)し、行ひ其の為すところに払乱(ふつらん)せしむ。 心を動かし、性を忍び、その能はざる所を曾益(ぞうえき)せしむる所以(ゆえん)なり。」
要するに、天に選ばれた者には、過酷な運命が待っているということでしょう。
大病、貧乏、収監というような非情な体験が、その人の心を強くさせる。それによって初めて、天が与える大きな使命に応えることができるのだと。
「The Lady」という映画が公開されるそうです。
タイのお隣りミャンマーで、民主化運動の指導者をしているアウンサンスーチーさんを描いたものです。
イギリスで結婚し、普通の暮らしをしようとしていた矢先でした。
ミャンマーの人たちは、独立の英雄でビルマ建国の父と言われるアウンサン将軍の娘、アウンサンスーチーさんを必要としたのです。
彼女は、自分だけの小さな幸福を得ることよりも、愛するビルマの人々のために生きる道を選びます。
しかし、過酷な運命が彼女を待っていました。
自宅軟禁されること、通算で15年に及ぶそうです。
愛する夫の死に目にも会えず、どれほどつらい思いをされたことでしょう。
ピンチのない順風満帆な人生などありません。
そんな物語は面白くないでしょう。
誰にも、大なり小なり、波風が押し寄せてくるのです。
違いは、その波風をピンチと考えて押しつぶされるのか、それともチャンスと捉えて雄々しく立ち向かうかです。
ピンチはチャンス。口癖になるくらいに繰り返すことで、あなたも「私の人生」という名の物語の英雄になれるのです。
2012年06月22日
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