ジョセフ・マーフィー氏の本を何冊か読んだ後、この本に辿り着きました。
もう本のタイトルがズバリですから、何の説明もいらないでしょう。
ただし、この本が書かれることになった経緯が面白いのです。
新聞記者だった著者のナポレオン・ヒル氏が、あるときアンドリュー・カーネギー氏にインタビューしたのだそうです。
アンドリュー・カーネギー氏と言うのは、鉄鋼王と呼ばれるまでになった資産家で、寄付してカーネギー・ホールなどを造った人です。
デール・カーネギー氏の「人を動かす」にも、たくさんのエピソードが書かれています。
そのときカーネギー氏はヒル氏に、成功する人の秘訣をまとめて成功哲学を体系化してくれないか、と持ちかけました。
特別な手当は出さないけれど、成功者への紹介状は書くからと。
するとヒル氏は、「やります」と即答しました。
それで食えるかどうかもわからないのに、生活のことさえ無視して、ヒル氏はその申し出を受けたのです。
あとでカーネギー氏は、もし1分以内に返答しなかったら、その仕事を任せないつもりだったと言いました。
このエピソードは、私の心に残りました。
「重要なことほど即断・即決せよ。」
それが、この本から得た私の教訓です。
あれこれ考えたところで、大差がないのです。だって迷うのですから。
そうでしょ?どっちを選んでも差がないと思うから迷うのです。
だったら、さっさと決めたら良いのです。
東京で働いていた時、上司が私にタイ進出の話をしてきました。
その話を聞きながら私は、「これは私に行ってほしいということだな」と思いました。
初めてタイに行かせるのに、家族持ちでは都合が悪いし、かと言って経験の少ない若手では期待に応えられません。
それなりの経験があって独身だった私が、社内では唯一、適任者だったのです。
私は、上司が口を開く前に言いました。
「私に行けと言うことですよね。だったら私が行きましょう。」
上司に、「頼むから行ってくれ」などと言わせたくなかったのです。
言いにくそうにしている上司を見れば、最後はそう言われることがわかりましたから。
そのとき私は、ナポレオン・ヒル氏の逸話を思い出していました。
そして「私が行くしかない」と思ったから、自信があるかどうかとか、田舎に帰れなくなるとか、自分の都合を考えることを一切やめたのです。
その決断があったから、今の私のタイでの生活があります。
タイでの生活があったから、悟りを得るような出来事もあったのです。
人生に起こる出来事のすべてが必然であり、無駄なことは何一つありません。
そのことを、私の人生を通じて確信しているのです。
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