最近の人は、あまり使わないのでしょうか?いい言葉だと思うのですけどね。
「情けは人のためならず」ということわざがあります。
これの意味を、「親切にするとその人の為にならないから、あまり面倒をみない方が良い。」と解釈する人が多いそうです。
なかなか面白い解釈です。ほんと。だって、そう感じることって、けっこうありますからね。
たとえば部屋にこもりがちな老人に、上げ膳据え膳だと、さらに動かなくなって健康を害することもあるでしょう。
意地悪なようでもリビングまで歩いて来させることで、それが健康に役立つこともあるのです。
でも、このことわざの本来の意味は違います。
それは、このことわざには続きがあるからです。
「情けは人のためならず。めぐりめぐって、己(おの)が身のため。」
つまり、情けをかけるのは他人のためではなく、回り回って自分のためになるからそうするのだ、ということです。
七五七七という歌になっていて、読んでも爽やかです。
このことわざは、素晴らしい真理を表現していると思います。
まず、他人のためにと思って何かをすることは、実は他人のためじゃなく、自分のためにやっているのだ、ということです。
次に、自分に何かが返ってくるとしても、それは親切にした人からではなく、まったく別の人から返ってくるということです。
だから直接のお返しを期待することはもちろん、お礼の言葉さえ期待するのはナンセンスだ、ということになります。
そうなりますよね?変ですか?
変だと思われた方は、もう一度よーく考えてみてください。
他の誰かのためを思って何かをすることは、自分のためにやるのです。だから見返りもお礼も感謝の気持も要求してはいけません。
「徳を積む」という言葉があります。
特に陰徳を積むことが大事だと言われます。陰徳とは、人に知られない良い行いです。
聖書にも、「右手でやる良い行いを左手に知らせてはいけない」ということが書かれていますよね。
良い行いというのは自分のためにやるのであって、他人に知らせて、何か見返りを求めてやることではないのです。
さあ、あなたも何か一つ、他の人のために良いことを、誰にも知られずにやってみましょう。
通勤途中にゴミが落ちていたら拾う。火のついたタバコの吸殻が落ちていたら踏んで火を消す。そんな些細なことから始めてみましょう。
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