2012年05月31日

人に情けをかける

他人に親切にすることを、「情けをかける」と表現します。

最近の人は、あまり使わないのでしょうか?いい言葉だと思うのですけどね。


「情けは人のためならず」ということわざがあります。

これの意味を、「親切にするとその人の為にならないから、あまり面倒をみない方が良い。」と解釈する人が多いそうです。

なかなか面白い解釈です。ほんと。だって、そう感じることって、けっこうありますからね。

たとえば部屋にこもりがちな老人に、上げ膳据え膳だと、さらに動かなくなって健康を害することもあるでしょう。

意地悪なようでもリビングまで歩いて来させることで、それが健康に役立つこともあるのです。


でも、このことわざの本来の意味は違います。

それは、このことわざには続きがあるからです。

「情けは人のためならず。めぐりめぐって、己(おの)が身のため。」

つまり、情けをかけるのは他人のためではなく、回り回って自分のためになるからそうするのだ、ということです。

七五七七という歌になっていて、読んでも爽やかです。



このことわざは、素晴らしい真理を表現していると思います。

まず、他人のためにと思って何かをすることは、実は他人のためじゃなく、自分のためにやっているのだ、ということです。

次に、自分に何かが返ってくるとしても、それは親切にした人からではなく、まったく別の人から返ってくるということです。


だから直接のお返しを期待することはもちろん、お礼の言葉さえ期待するのはナンセンスだ、ということになります。


そうなりますよね?変ですか?

変だと思われた方は、もう一度よーく考えてみてください。

他の誰かのためを思って何かをすることは、自分のためにやるのです。だから見返りもお礼も感謝の気持も要求してはいけません。



「徳を積む」という言葉があります。

特に陰徳を積むことが大事だと言われます。陰徳とは、人に知られない良い行いです。

聖書にも、「右手でやる良い行いを左手に知らせてはいけない」ということが書かれていますよね。

良い行いというのは自分のためにやるのであって、他人に知らせて、何か見返りを求めてやることではないのです。


さあ、あなたも何か一つ、他の人のために良いことを、誰にも知られずにやってみましょう。

通勤途中にゴミが落ちていたら拾う。火のついたタバコの吸殻が落ちていたら踏んで火を消す。そんな些細なことから始めてみましょう。

posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 12:56 | Comment(0) | 実践内容 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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