半ば引きこもり状態でしたね。
限られた人としか接触したくない。
だから昼過ぎまで寝ていました。
夕方から起きだして、食事をしたり。
飽きて出かけることもありましたが、いつも必ず1人です。
渡辺真知子さんの歌が大好きでした。
そのころも、よく聴いたものです。
「迷い道」は、聴いてすぐに気に入り、それでファンになったのです。
まあファンになったのは中学3年生くらいでしたから、まだそんなに迷ってませんでしたが。
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売り出されるアルバムは、10枚目くらいまではすべて買いましたよ。ファンクラブにも入りましたし。
「かもめが翔んだ日」「ブルー」くらいまでは良かったのですが、そのあとがダメですね。
「唇よ、熱く君を語れ」は、CMに使われたからヒットしたけど。
やはりメジャーになって、心の歌を歌わなくなったのではないでしょうか?
私が偉そうに言うことでもありませんが、1人のファンとして、そんな気がしていました。
でも彼女のアルバムには、良い曲がたくさん入っています。
シングルカットされてないけど、気に入っている曲が多いのです。
それは彼女が、どうにもならないつらさだとか、悲しさに寄り添った歌を作っていたからだと思います。
「片っぽ耳飾り」なんて、名曲ですよ。
彼とひとつずつ分けてつけたイヤリングかピアスなのでしょうね。
私が愛したのと同じくらい、もし彼が愛してくれたら、愛は続いていただろうに。
そう思うと悔しくもあり、また切なさがつのります。
別れてしまって、意味がなくなった片っぽ耳飾り。
それを愛と一緒に海に捨てるという叙情詩です。
「愛することだけすれば良かった」は、もう私の人生の教訓になっています。
喧嘩した彼が、突然の交通事故で死んでしまった。
もう謝って、仲直りすることもできない。そうとわかっていたなら、愛することだけすれば良かったのに。
その後悔する思いを、せつせつと歌った歌です。
この曲を口ずさみながら思うのです。
腹が立って怒った時も、「本当にこれが永遠の別れになっても良いのか?」と自問しようと。
「このやろう!」と言う代わりに、「それでも愛してる!」と言おうと。
それから後、私は恋を何度かしましたが、自分が思うほど相手が愛してくれないと感じた時も、それでも愛することを選ぶようになりました。
さて、そんな私ですが、引きこもり状態で悩んでいた時によく聴いたのは、また別の曲です。
これはシングルカットされて、アルバムタイトルにもなった曲。「Memories」(メモリーズ)
死ぬこともできない、かと言って歩くこともできない。ただ流されていくだけ。それでも心の傷は癒えず、ただ思い出が心の中で何度も繰り返されるだけ。
そんなどうにもならないつらさを、心からしぼり出すように歌った曲です。
この曲が流れると、当時を思い出して、胸がギュッと締め付けられる感じになりますね。
でも、歌というのは良いものですね。
その歌を歌うことで、受け入れられた気持ちになります。
「あー、こんな自分の気持ちをわかってくれる人がいるんだ。」
そう思うと、前向きにはなれなくても、それ以上落ち込まずに済むような気持ちにはなれました。
渡辺真知子さんの歌は、私にとってかけがえのないものなのです。
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