三笠書房の本は、生き方を考える上で良い本が多かったのですが、さすがに単行本は良い値段がします。
そんな良書も単行本となると、半額以下で買えるからお買い得です。
私は、本はなるべく書店で新品の物を買うようにしていました。
それは、わずか1,000円そこそこで、とても有益な知識が得られるからです。
それをけちって図書館で借りたり、古本屋で買うなどというのは、著者や出版社に対して申し訳ないと思ったからです。
もちろん、古本屋で古い本を探すこともあるし、図書館を利用することもたまにはありました。
あくまでも原則として、そういう意識を持っていたということです。
そんな私でも、文庫本と単行本があれば、8割ぐらいは文庫本を選びます。
見てくれよりも、実利をとったのです。
実利というのは値段だけではなく、持ち運びやすさとか、電車内での読みやすさですよ。
それはさておき、その知的生き方文庫は、安くて良い内容の本が多かったので、好んで買っていました。
その中に、本のタイトルや作者は忘れたのですが、こんな内容の本がありました。
それは、「ありがとう」と言葉に出して言うことを勧める本です。
感謝の意味で「すみません」という人が多いけれど、それでは感謝の気持が伝わらないからと。
そして、その実践のエピソードが書かれていたのですが、2つほど印象に残っていることがあります。
1つは、エレベーターガールに対して、「ありがとう」を言うことです。
著者も照れてなかなか言えないと書いていたのですが、これは本当ですね。
私もウエイトレスなどには言えたのですが、エレベーターガールには言いづらかったです。
もう1つは、道路工事をしていた肉体労働者の人を見ていた著者が、気がついたら深々とお辞儀をしていたというエピソードです。
単に見過ごしてしまう光景。むしろ肉体労働者をバカにして、蔑む人もいる中で、汗をかきながら人々のために黙々と働いている姿に、著者は感動したと言うのです。
このエピソードは、私の心を打ちました。
それから私も、意識して「ありがとう」と言葉にするようになりました。
先ほどのようにウエイトレスや売り子にも、客の私が「ありがとう」と言うのです。
そしてエレベーターガールにも、勇気を振り絞って「ありがとう」と言いました。
「ありがとう」と感謝の気持を示せば、相手が喜んでくれる。
そう思うと、「ありがとう」と言うことが、だんだんと楽しくなってきます。
新聞奨学生として大学に通っていたころ、販売店で優秀従業員賞に選ばれ、特典としてグァム旅行をさせてもらいました。
そのとき、当時はスチュワーデスと呼んでいましたが、エアアテンダントの女性の笑顔や対応が素晴らしく、非常に感動しました。
飛行機から降りるときに「ありがとう」とは言いましたが、それだけではもの足りません。
私はその感動を伝えたくて、JALに手紙を送ったのです。彼女の対応の素晴らしさ、そしてどれだけ私が喜んだかを手紙に書きました。
その内容が本人に伝わったかどうか知りませんが、JALからはお礼の手紙をいただきました。
「ありがとう」と言う習慣を身につけると、それだけで楽しくなります。
あなたも勇気を出して、今から始めませんか?
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