2014年08月01日
自由への道
不思議な本を読みました。著者はアジャシャンティ氏。「根源的平和」という意味なのだそうです。
これはたしか、Amazonからのメールで紹介されていたものです。私がスピリチュアル関係の本をよく買っていたからでしょう。
でも、紹介された本を必ず買うわけではありません。おそらくその紹介文の中に、気になることが書かれてあったからだと思います。
それはすでに忘れてしまっているのですが、「スピリチュアルな悟りへの実践ガイド」というサブタイトルがあるように、これはわずか80ページ足らずのガイドブックになっています。
強いて言うなら、先日このブログでも紹介した「四つの約束」みたいな感じでしょうか。
「本書『自由への道』は、スピリチュアルな解放に必要な最小限の内容に絞った実践ガイドです。スピリチュアルな解放とは、目覚め、悟り、自己実現と呼ばれることもあり、あるいは率直に言うと、絶対的な真理とはどういうものかを味わうことです。」(p.4)
冒頭でこのように言って、この本の立場を明確にしています。
そしてこの本で言うところの真理とは、「神との対話」シリーズなどで言われるものと、まったく同じだと言ってよいと思います。
実際に存在するものとして「リアリティ」と表現しています。それ以外のすべては幻想だとします。
「まさにこの瞬間、リアリティと完全性は目の前に広がっているのです。事実、見たり、聞いたり、匂いを嗅いだり、触れたり、感じたりできる唯一存在するものはリアリティであり、あるいは神と言ってもいいでしょう。」(p.5)
そして目覚め(悟り)は、この世での苦しみに対する「魔法の治療法」でも「人生の試練からの逃避」でもないと言います。
「この教えの目的は、リアリティの絶対的性質に目覚め、そして最大限にそれを生かして生活の中で実行することです。
(中略)
結果として悟りへと導くのは、より大きな幸福や喜びを感じる状態を追求することではなく、リアリティに対する渇望、および完全に本来の人生を生きていないことに対する激しい不満です。」(p.9)
つまり、悟りというのは、この世で生きることの思考の延長線上にあるのではない、ということだと思います。
では、その悟るための方法である「自由への道」とは、どのようなものなのでしょうか?
まず「五つの基盤」があると言います。
そしてそれは、この教えを支える基礎であり、「日常生活において、リアリティの究極の本質を生かし、体現する手段」なのだと。
1.志を明確にする
2.無条件に貫く
3.自分の権限を決して放棄しない
4.完全に誠実でいることを実践する
5.自分の人生の面倒をしっかりみる
これだけでは何のことだかさっぱりわからないかもしれません。ただ、その詳細は、ぜひ本をお読みいただきたいと思います。
「「真の自由への道」は、否定や批判、呪術思考をすることなく、完全に自分自身や自分の人生と向き合う方法です。
(中略)
自分の人生をしっかりみるということは、人生のあらゆる側面、内面的、外面的、心地よいことも不快なこともすべて快く受け入れることです。」(p.19 - 20)
このように、出来事や事実を、完全に受け入れることだと言います。そこに良いとか悪いの判断がありません。
こういったところにも、「神との対話」などで言っていることとの共通点があるように思います。
その次に「三つの方向づけの理論」があり、さらに「三つの核となる実践法」があると言います。
その実践法とは、「瞑想、探求、黙考」だと言います。
「直接目覚めに導く道や実践法などはないものの、あなたのやることがスピリチュアルな人生の方向を決定するのに極めて重要であることも事実です。バランスがその鍵であり、無理のない努力こそがまさにその道です。」(p.36)
「無理のない努力」という言葉に、「四つの約束」にあった「最善をつくす」という言葉が重なるように思いました。
このあと、ここで示された実践法の詳細が語られています。
独特な書き方がされていますが、努力によって悟るのではないという点で、雲黒斎さんや阿部敏郎さんなどが言っているように、「瞑想に落ちる」とか「悟りは与えられる」というような表現が近いように感じました。
方法論はいろいろあっても、その本質的な部分は同じなのではないか。そんな気持ちにさせられました。
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